新規就農で活性化を!

現在農業に従事している人の年齢層は高齢化が加速しており、後継者がいないことから離農する事例も増えています。
先祖代々守り抜いてきた田畑を泣く泣く手放すことになるという農家も多いため、同業者としては本当に心苦しい話です。
今後は積極的に新規就農する人を応援することで、農業が更に活性化することが大いに期待されています。

このような背景の中で、国としても積極的に新規就農者を支援するために様々な取り組みが行われています。
具体的にどのような支援策が存在しているのかをご紹介します。

参考:「農業を始めたい!」「事業を立ち上げたい!」 チャレンジする人を後押しする 「青年等就農資金」と「女性、若者/シニア起業家支援資金」

無利子の融資制度

今まで他の仕事に従事していた方などが新たに農業の仕事を始めようとする場合、既に農業を営んでいる農家や農業法人に雇用してもらう方法か、自分で経営者として農業を始める方法があります。
後者の場合は何かと初期投資が必要になることから、ある程度資金を確保しなければいけません。
必要なものを計算してみると数千万単位で必要になる場合もあることから、そう簡単には新規就農をするのは難しいと思われがちです。

そこで新規就農する方を応援する施策として、青年等就農資金という融資制度を実施しています。
無利子で利用でき、実質的に担保や保証人も要らないという融資制度になります。
この制度を利用するためには、各市町村から青年等就農計画制度に基づき認定された方が認定新規就農者になる必要があります。

認定を受けると融資限度額を3700万円として返済期間は12年で融資を受けることができるのです。
この間、利息を支払うことなく元金の返済に集中できるのが大きなメリットといえます。
なお、融資対象になるのは新規で農業を営もうとしている青年等が該当しますが、具体的には原則18歳以上45歳未満の方と、特定のスキルを持っている65歳未満の方、これらの条件に該当する人が役員の過半数を占めることになる法人が対象です。

活用事例

実際にこの融資制度を利用して新規就農を達成した方がたくさん存在しています。
例えば、元々はサラリーマンとして仕事をしていたAさんは起業をすることを模索して大学院に進み、その時に漢方薬の原料になる生薬が輸入に頼られていることを知り薬用作物の栽培に強い興味を持つきっかけになったそうです。
その後株式会社を設立し、人件費などを確保して長期運転資金に活用するために融資制度を利用したことで夢だった薬用作物の栽培を行なっています。
現在、試行錯誤しながらも安定した生産ができるように奮闘しているそうです。

このように農業に対して夢を抱いていた若い世代が積極的に農業経営を頑張っている姿は、既に農業を営んでいる私にも強い刺激になります。
若い者にはまだまだ負けていられないなという気持ちにさせてくれるので、ぜひこれからも頑張ってもらいたいものです。