秋田県で実証!ICTとAIで農業支援

ITCとAIを活用した農業支援とは?

あらゆる業界でインターネット技術を用いた事業がなされていますが、その波は農業分野でも急速に進んでいます。
その一環として、秋田県では情報通信技術であるICTと、人工知能つまりAIを用いて農業支援を行うという取り組みがなされています。
この取り組みでは、まず産学官が共に動くことで、東北における生産を強化するため取り組んでいるタマネギ栽培をターゲットとしています。

秋田県タマネギ産地形成コンソーシアムが主体となり、農研機構や山梨大学、そしてNTT東日本といった22の団体が参加しています。
農業のデジタル化については農林水産省が補助金性を設けていますので、その補助金を受けて実際にタマネギ栽培におけるIT活用をどのように行うかを、さまざまな角度で実験していくことになります。

実証実験の実施内容について

秋田県で実施される実証実験では、まず栽培技術の指導分野を試すことになっています。
栽培している場所の様子を高速通信で、遠隔地にいる専門家と接続し映し出すことによって、現状を見た上でリアルタイムの指導を与えられるようにします。
また、栽培データについても保存蓄積していくことで、分析を効率よく進められるようにします。

もう一つのポイントは、作業の無人化です。
畑で作業をするトラクターをAIとロボットの共同作業によって、人が運転しなくても稼働させ、より効率よく整備や定植などができるようにします。
やはり農業では人材の不足が深刻化していますし、東北の場合は厳しい冬に作業ができないため、限られた時期に素早く作業することが求められます。
この点で、トラクターの無人化は大きな役割を果たすことになるでしょう。

3つ目の内容は、収穫物の自動選別です。
今までは人が実際に目で見て一つずつ選別を行っていましたが、それには多大な時間と人的コストがかかります。
AIを使用して傷や汚れ、カビ、腐敗などの傷みを自動的に判別し選り分けていけるようにすることで、人件費を減らせますし、短時間での選別作業が可能となります。
AIによる選別によって精度が向上することも期待されています。

こうした内容で実証実験を行っていき、最終的に25パーセント以上の作業効率を目指します。
また、収穫を10アール当たり4トン以上となることを目標として、収支におけるマイナスを出さないようにします。
こうすることで、法人経営のバランスを高め経営黒字化となるようにしたいと考えています。
もちろん初期投資には多額の資金が必要となりますが、農業のこれからを考えると必要な投資ですし、新たな可能性を東北の農業に開くことになりますので、成功に向けて積極的に取り組んでほしいところです。