良い作物を育てるために必要

消費者に満足してもらえる作物を育てるためには土づくりに気をつけたいものです。
野菜などはとても正直なもので、土の状態が悪ければ健康状態も悪くなって美味しくないまま育ってしまいますが、土の状態が良いほど病気にも強くて美味しく育ってくれます。
愛情を込めて土づくりから始めることが大切ですが、土づくりの基本として覚えておきたいことをご紹介します。

参考:安定生産につながる土づくり作業のポイント

秋の準備

まずは秋に天地返しを行ないますが、天地返しとは土の表面と深い部分を入れ替えるという役割があります。
単純に土を耕してふかふかにするという目的だけでなく、土の中に住んでいる微生物の力で有機物を分解してもらったり作物を育てている時に与えていた肥料などと混ぜ合わせるという意味などを持っています。
次のシーズンに向けて土を適切な状態に整えるために必要な作業になります。
天地返しを行う際にはプラウやディスクロータリーなどの専用機械を使用することになります。

ふんわりとした土に仕上げる

土を適度にほぐすことで土の中に空気の層を作り出し、通気性や透水性を良くする目的で行うのを粗起こし(荒起こしと表記する場合もあります)と言います。
作物の根張りを良くする効果も発揮するので、特にごぼうや人参などの根菜の中でも長尺作物に適した状態に整えることができます。
天地返しと同じように土の深い部分を表面に引き上げることができるため新しい土と混ざって土を新鮮な状態に整えることもできます。
粗起こしをする際にはスーパーゾイルやスピードカルチなどの専用機械を使用することで効率良く作業が実現します。

大雨に備える

作物が育つためには太陽と雨の自然の力を借りなければいけませんが、あまりにも大雨が続くと深刻な被害をもたらすことになります。
特に梅雨の季節には毎日のように雨の日が続くことが予想されるため、適度な排水対策が必要になります。
明きょ、暗きょの施工をすることで大雨による被害を防止して病害虫の抑制にも役立ち土の中に酸素を供給するなどの役割を果たすことができます。

肥料や有機物を投入

どのような作物を育てるのかにもよりますが、適切な土の状態を保つために最適な肥料や有機物を投入することになります。
例えばほうれん草は土のpHが少し違うだけでも生育に大きな違いが生じますので適正値になるように肥料で調整することになります。
また、有機物を投入することで土に住んでいる微生物を活性化できて元気に作物が育つために役立ってくれます。
肥料や有機物についてはそれぞれの農家によってこだわりがありますので、何度も試行錯誤を繰り返しながら元々の土壌と育てる作物に適したバランスを目指すことになります。