先行きは決して明るくない…
現在農家の仕事を頑張っているという人はもちろんですが、これから農家の仕事を親から継ごうとしている人や、新規就農を考えている人はこれからの日本の農業のあり方について不安を感じているという方も多いはずです。
私自身も今後の農業について考えると、決して先行きは明るいものではないなと感じています。
日本の食料自給率について
現在、日本の食料自給率は約40%とされていますがこの数値はカロリーベースで計算されたものです。
カロリーベースとは、熱量に換算して日本国民が食べている食材の何%が日本で生産されたものかを示す数値です。
40%という数字を見るとかなり低い数字のように感じられますが、これはカロリーの高い肉類を輸入していることが多いということを示しているのです。
生産ベースで確認してみると約65%の食料自給率があるので、肉類などよりカロリーが低い野菜などの自給率はそこそこあると判断することができます。
特に現在はお米の消費に関しては国産が大半を占めているので、現状では食料自給率に関しては問題視し過ぎなくても良いのではないかという印象を持っています。
しかし、今後は状況が変わってくることも予想されます。
先ほどのお米に関してですが、現在は海外から輸入されるお米には高額な関税がかけられているため国産のお米と大差ない金額で供給されていますが、TPPにより関税が撤廃されると国産よりも大幅に安い価格で販売されることになります。
外食産業では品質よりも価格を優先させるため、安い外国産のお米を積極的に購入して高い国産米には見向きもしなくなる可能性が高いとされています。
このような状況が他の作物にも同じような影響を与えてしまうため、日本の農業が危ぶまれているのです。
これからの農業はどうあるべきか
正直なところ、今のままでは日本の農業は外国勢に押し潰される可能性が高いと言えます。
しかし、賢明な消費者は安全性を求めているので農薬を大量に使用して育てられ、輸入をする際に大量に防腐剤をかけられた作物を口にしたくないと考えているため、日本の農家が安心して食べられる作物を頑張って育てなければいけません。
価格が安い外国産に負けない、安心して口にできる作物を一生懸命育てていることをアピールしていけば消費者は国産を選んでくれるのは間違いないでしょう。
日本の農家は安心安全な作物を育てているという誇りを一人ひとりが持つことが大切だと思います。
外国産との差別化を図ることに成功できれば、日本の農業の未来は今後も明るいものになるだろうと考えています。
後の世代にも素晴らしい作物を育てているという誇りを保ってもらうためにも、今の現役世代がしっかり頑張らなければいけません。