就業形態による農家の違い

農家と一口に言っても、人によって全く違った農家である場合があることはご存知でしょうか。
実は農家には様々な分類方法があり、いずれの農家なのかによって仕事の内容には違いがあります。
ここではまず、農家の分類方法の1つである「就業形態」による仕事内容の違いについて紹介します。

就業形態を分けることになるのは、「農業を専業として行っている」のか「農業を別の仕事と両立しているのか」というポイントです。
古くは農業というのは専業で行われるものであったものの、現在では専業農家の数は兼業農家に比べると半数以下という状態になっており、多くの人が農業だけではなく、他の仕事を行いながら農業を行っていることが統計上明らかになっています。
その両者が後継者問題などによって少なくなっている状況ではありますが、いずれなのかによって大きな違いがあることになります。

それでは、兼業農家というのはどのような仕事と農業を兼業で行っているものなのでしょうか。
中にはサラリーマンをしながら、片手間に農業を営んでいる、という例もありますが、これは稀です。
多くの場合、農業に関わる別の仕事に従事することによって、兼業農家となっている場合が多いでしょう。

昨今では「第六次産業」という言葉が農家の間で話題になることが多くなってきました。
第六次産業というのは、第一次産業に当たる「農業」、第二次産業に当たる「野菜・果物の加工」、第三次産業に当たる「加工品の販売」の3つをすべて行う形式の農家のことを言います。
自分で作った野菜を料理して提供するレストランを経営したり、自分で作った果物を使ったデザートを提供するスイーツ店を経営したり、と言う形で兼業農家となっている例もまだまだ少数ではありますが見られるようになってきました。

栽培と畜産

農家の分類として、もうひとつの基準となるのが「栽培農家」と「畜産農家」という違いです。
栽培農家というのは、野菜や果物など、作物を育てて出荷することを目的としている農家ということになります。
これに対して、畜産農家というのは、牛や豚、鶏や羊といったような家畜を生育することによって出荷を目指す農家ということになります。
この両者ともに農家ではありますが、行っている仕事の内容やルーティーンには大きな違いがあるため、同様のものであると考えるのは少々難しいでしょう。

作物農家の場合、季節によるルーティーンが存在しており、育てている作物によって仕事をする時期が変化することになります。
これに対して畜産農家の場合はそれほど大きな違いがなく一年を通して仕事をする事になる場合が多く、どちらかというと体系を作りやすくなっているのが特徴と言えるでしょう。