草刈りも自動の時代へ

農業の現場で、草刈り作業は大きな作業のひとつです。
現在の草刈り作業は自走式の刈払機で行うのが一般的です。

そこに割かれる時間は膨大で他の作業が滞ってしまうのが現状です。
農林水産省が発表したデータによると、全作業時間の約1割は防除を含めた除草作業になっています。

もし草刈作業を無くすことができれば、身体的負担は解放され、空いた時間でより生産的な作業ができます。
一般的に多く使用されている歩行型の刈払機では、騒音が大きく住宅地に隣接した農業者は、早朝からの草刈作業が行えません。
また、指の切断や骨折などの事故も多発しており、安全面でのリスクも懸念されています。

ロボット草刈機の登場

そこに救世主とし現れたのが、ロボット草刈機です。
ロボット草刈機は、刈払機のような扱いにくさや危険もありません。

また、小型で刈刃も本体下に付いているので安全です。
ロボット草刈機には、エンジンが無く電動ですので騒音も小さくてすみます。

荒れた地面での走破性にも優れ、あらゆる草刈りのニーズに対応できるものです。
斜面や丈の高い雑草も刈れるように設計されています。

天候、場所、時間帯を問わずに草刈りを行うことができ、高齢化や人で不足が叫ばれる農業に大きく貢献することが期待されています。
そして、農業はもとより、緑地化した大規模工場や太陽光パネル設置業者など、さまざまな業界へのニーズに応えることもできるでしょう。
草刈りロボットの操作方法は、スマートフォンで作業指示を遠隔操作できたり、稼働状況を把握できたりと、簡単でシンプルなものもあります。

自律走行する草刈りロボット

そして、近い将来は掃除ロボット「ルンバ」のように、放っておいても自律的に草を刈りながら敷地内を動き、充電量が減れば充電器まで自分で戻って充電し、再び草を刈りはじめるようなロボット草刈機が登場してくることでしょう。
農林水産省によると、さまざまな企業や行政機関などが開発プロジェクトを進めているそうです。

ロボット草刈機は、自動制御、電池駆動、無線通信などの総合的な技術を駆使して、進化が進められています。
今後は、よりさまざまな場所でロボット草刈機を見ることになるかもしれません。

農業の未来

農業は3K仕事で、若い人はやりたがらない仕事の一つだと言われています。
農業は、人間が生きるうえで誰もが必要な、食べ物を作る職業です。
人間社会には、無くてはならない職業なのです。

今後、最先端の機械を導入することで、農業の労働環境は改善され、ロボットが草刈をしてくれるお陰で、自分の時間を作ることもできます。
ICTやAIを使った機器やサービスによって、農作業も今よりスマートに、効率的に作業ができる時代がやってきます。