達成感のある作業

農業をしていく上で、一つの達成点となるのが「収穫」です。
それまで長い間行ってきた農作業が形として得られるこの瞬間は、農業を続けていく上で非常に大きなモチベーションとなるものです。
そんな収穫であればこそ、一つ一つゆっくりと行いたいものですが、プロとして農業をしている以上はそういうわけにもいきません。
適切な収穫タイミングを見逃すことなく、スピーディに収穫することも農家にとって必要なスキルの1つとなります。

特に大規模な農業を行っている農家の場合、この収穫作業というのも大きな作業であることは間違いありません。
そのため、収穫に関しても多くの農業用マシンが存在しており、これを利用することによって収穫を行うという方法があります。
作付面積や数によっては人力で収穫を行うことももちろん不可能ではありませんが、規模が大きくなると現実的ではなくなるため、農業マシンに頼ることになる場合が多いでしょう。

播種の場合、植えることになる種というのは野菜の種類に関係なく、あまり大きな違いはありません。
そのため、播種機については、複数の作物の作付けを行っている農家であっても、一つだけで事足りることが多いでしょう。
しかし、収穫用の機械についてはそうは行きません。
成果物である野菜や果物は、一つ一つ形や生り方が違っているため、それに適した機材がなければ適切な収穫ができないためです。

専用の収穫機材

それでは、実際に使用される収穫機材としてどのようなものがあるのかについて紹介します。
収穫に使用する機材については、独立した一つの機材である場合もあれば、トラクター用の収穫アタッチメントである場合もあります。
後者の場合はアタッチメントに対応しているトラクターを持っている必要がありますが、自立駆動が必要となる機材に比べると安価に購入できることが多いのがメリットとなっています。

では、利用することができる収穫機材について、その一例を紹介します。
最初に紹介するのは、長ネギの収穫のために使用されるネギ収穫機についてです。
こちらについては、「畝崩し」という作業を行いながら、根ごと収穫を行うのが一般的な収穫方法となっています。

そのため、ネギ収穫機については、畝を崩す機能と、根についている土を払う機能、そして何本かをひとまとめとして束にする機能などが実装されているものが多くあります。
ネギは条播きで播種される場合が多いため、収穫自体はそれほど複雑な機能は必要としません。

もうひとつ紹介するのは、「人参収穫機」についてです。
人参は根菜ということもあり、傷を付けないように引き抜く収穫をする必要があります。
そのため、引き抜くためのアームと、一本一本を並べて選別するための機能がついています。