コンパニオン・プランツとは?

私が自分の農業体験から学んだ知識について、簡単に説明するコーナーとして、最初に紹介するのは「コンパニオン・プランツ」という言葉についてです。
このコンパニオン・プランツというのは、日本語で言えば「寄せ植え」と呼ばれるものです。
通常、植物というのはあまり近くに植えると、地面の養分を取り合ってしまってどちらの生育に問題が出てしまうということで、寄せ植えというのはあまり良いことであるとは思われない部分があります。
しかし、中には相性が良い植物というものがあり、近くに植えることによって良い効果が得られる場合もあるのです。

そこでここでは、一緒に植えることによって良い効果を得ることができる農作物の組み合わせについて幾つか紹介します。
最初に紹介するのは、人気の高い野菜である「トマト」と、料理の香り付けのためによく使用される「バジル」の組み合わせについてです。
この2つはピザなどとして使用されるのにも相性が良い植物ですが、実は生育環境においても相性が良い植物となっています。
トマトはバジルと一緒に育てることによって生育が良くなり、味も改善することが多くあります。

この他にも、ニンニクや玉ねぎといったような植物はコンパニオン・プランツとしての効果が発揮される場合が多い農作物です。
これらはキュウリやナス、トマトなど一緒に植えることによって、「つる割れ病」や「立ち枯れ病」と呼ばれるような農作物に対して発生する病気の確率を下げてくれるという働きがあります。

農薬は悪いもの?

昨今、「無農薬野菜」というものが取り沙汰されることが多くなり、オーガニック食材の専門店なども都内を中心に多く見られるようになってきました。
こうなってきたことによって私が個人的に懸念しているのが「農薬」というものが過剰に悪いものであるとして考えられるようにならないか?ということです。
確かに過去には農薬によって発生した薬害と言うものが存在していたことは事実です。
しかし、現在使用されている農薬というのは基準に沿ったものであり、人体に対して影響が出ないように農家として十分な配慮を行って使用されているものでもあります。

そもそも、無農薬野菜、というものを過剰に良いものであると考えるべきでもありません。
というのも、農薬がない環境、つまり害虫が発生しやすい環境では、野菜が自分の身を守るための防御機能として、農薬に近い成分を発生させる場合があります。
こういった農薬に近い成分が発生している方が、農薬が使用されているよりもかえって人体に対して問題がある場合もあると考えられています。

農薬が使われるというだけで良くないものであると考えるのではなく、適切に使用されているかどうか、かということを考えることが重要なポイントです。