畑でみられる虫たち

畑にはいろいろな虫がいるもの

畑で作業をしていると、世の中には実にたくさんの虫がいることに気付きます。
小さい虫もいれば大きなもののいますし、土中深くで活動している虫もいれば、葉物や花などに引き寄せられて飛んでくる虫もいます。
こうした虫は、時に葉っぱや根を食い荒らして農家にとって害となることもあれば、受粉作業をしてくれるなどのプラス効果をもたらしてくれることもあります。

それだけに、農家をするに当たっては、畑と虫との関係をよく知っておくことがとても大事だと思います。
どの虫が害虫でどれが益虫なのかを判別して、それぞれに対して適切な対策を取れるようにすべきです。
益虫は、農作物の生育に良い影響をもたらしてくれる虫のことです。
虫が本能的に行っている習性や特性が、いわば農作業を手伝ってくれているわけです。

益虫・害虫の差はどんなところに出る?

益虫がしてくれる働きというのは本当に大きいもので、まず害虫を捕ってくれるという働きをします。
例えばクモなどは、野菜の葉っぱなどを食べてしまう昆虫をつかまえてくれます。
そのため、害虫駆除のための農薬を減らすためにも益虫の働きはとても大事なのです。
こうしたメリットを生かすために、「生物農薬」などと呼んで益虫が製品として売られていて、農地にまいて害虫駆除のために使うといったこともあります。

益虫は受粉作業をするという非常に大事な役割も果たしますが、これについてはアブやハチが主な益虫で、花から花に飛んで移り受粉させます。
これがなければ植物に実がなりませんので、欠かせない役割を担ってくれているのです。
わざわざ専門の業者が来て、ミツバチを農園に放つことで受粉作業をさせることもあります。

他にも、微生物と同じように虫が植物や動物の糞などを分解してくれる役割を果たします。
これにより有機物を有益な肥料へと変えて、豊かな土地にしてくれるのです。
また、土中を動くことによって土が柔らかくなったり、内部に空気を取り込んだりできるというのもメリットです。

一方の害虫は、農作物に被害をもたらすので駆除しなければなりません。
バッタやイナゴなどは穀物の実を食べてしまい収穫量を減らす被害をもたらしますし、ウイルスや菌をもちこんで植物に感染症をもたらす虫もいますので危険です。
育っている途中の作物だけでなく、収穫した後の穀物などを食べる虫もおり、米を食べるコクゾウムシなどは代表的なものです。

こうした直接的な被害をもたらす害虫と共に、衛生面や印象面での被害をもたらす害虫もいます。
ハエやゴキブリ、ダニといったもので、せっかく販売した野菜にこうした虫が付いてしまうと安心して購入することはできません。