農福連携について考える

農福連携の目的はどういうことか?

農福連携という言葉をご存知でしょうか。
今回は、農福連携についてご紹介します。
まずは、その目的についてです。

農福連携の目的をお伝えする前に、そもそも農福連携とはどういうことなのか、お伝えします。
農福連携は、障害者や高齢者といった福祉のサービスを受ける立場の人が農業に携わることで、国や地方自治体や法人などがそれを応援することです。

その目的は、この取り組みを進めて、障害者や高齢者、生活に困っている人が働けるようになることでしょう。
また、それによって、農業の高齢化での働き手不足を解消することもあります。

社会的背景を見てみよう

ここのところ、注目されている農福連携には社会的背景があります。
まずは、農業人口が減っていることや担い手の高齢化です。
事実、農業人口は、1997年から2018年で、半分以上減少しています。

そして、担い手は高齢者になっていく一方で、後継者が育っていません。
1997年から20年たって、農業の平均年齢は7歳ほど上になっています。

そして、福祉分野として、障害者の就職事情も大きな課題です。
精神障碍者が近年、増えている傾向にあります。
そのような状態になると、そうした人の就職も大きな課題です。
ハローワークでは障碍者の就職件数は、年々増加していますが、まだ十分ではありません。

こうした社会的背景から、農福連携が期待されています。
農業や福祉の両方の課題を解決するには、障害者が農業に携われる環境が解決策になるでしょう。

農家側にあるメリットとは

まずは、農福連携の農業側のメリットをご紹介します。
それは、働き手を確保できることでしょう。

そして、社会貢献活動になるので、農家や農場経営者のQOLが上昇します。
因みにQOLとは、Quality of Lifeの略で、生活の向上ということです。

さらに、過疎地域に人が増えることで、地域活性化につながるということも、大きなメリットです。
コミュニケーションがさかんになり、明るい雰囲気の地域になることが期待されます。

障害者側にはどんなメリットがあるか

障害者側にもメリットは大きいです。
まずは、障害者の状況や作業ができる範囲での仕事が、できるということがあります。
畑を耕すことや種まきもありますし、収穫や発送もあるので、その中から、その人なりに向いていることが見つかるでしょう。

また、自然の中で過ごせるので、心身的に大事なことを得られます。
研究報告では、農業に携わったことで、障害者が心身共に良い状態になったとされているのです。
そして、規則正しい生活をすることになるので、一般就労に向かうことができます。

さらに、自然と向き合う農業なので、開放感があり、人とのやり取りも増えます。
そうすることで、社会への参加の害一歩になるでしょう。
屋内にこもる作業よりも、心が開放されるのです。”