オーガニック野菜や有機野菜、無農薬野菜の違い

オーガニック野菜や有機野菜、無農薬野菜の違い

日本で出荷が許可される野菜には、かなり厳しい安全基準が適用させています。
残留農薬の一日摂取許容量は、「安全性試験で有害な影響が見られない量」の100分の1です。
これは、「一生涯に毎日食べ続けても健康上問題ない量」の100分の1という意味でもあります。

しかし、有機栽培や特別栽培といった値段の少し高めの野菜が、売られているのを見かけます。
「有機JASマーク」の付きの野菜は、一体、何が違うのでしょうか?

オーガニック野菜とは

英語で「オーガニック(organic)」の意味は、「有機栽培の」です。
また、「自然食品」などで使われることもあります。

国際有機農業運動連盟では、「生態系」「公正」といったものオーガニックの原則として掲げています。
これは、できるだけ化学農薬を使わないことで、水や土、大気の環境保全を図ります。
人間が安全で美味しいものを求めるためだけではなく、自然界の環境をできる限り保全して、適切な社会を実現する目的もあります。

有機野菜とは

次に「有機野菜」という言葉の意味について、お話します。
これは「オーガニック野菜」と同義で使われています。

日本では、農林水産省による「有機JAS」規格の条件を満たした野菜を指します。
この認定を受け、初めて「オーガニック」または「有機」と表示することができます。

「有機JAS」の基準を下記に示します。
・過去2年以上、農薬や化学肥料を使用していない圃場で、土づくりを有機肥料で行った栽培。
・栽培中、農薬や化学肥料を使用しない。
・遺伝子組み換え技術を使用しない。

ここに挙げる「農薬や化学肥料」とは、国が指定していない「農薬や化学肥料」を指します。
有機農業では、農薬の使用をまったく認めていないわけではなく、使用がやむを得ない場合、約30種類の農薬に限り認めています。

無農薬野菜とは

次は、「無農薬野菜」についてですが、これは文字通り農薬を使わない野菜のことです。
しかし、無農薬の定義は難しく、圃場での農薬残留や周囲の田畑で使用された農薬が検出されるケースもあります。

また、虚偽に無農薬表示をするケースがあったことから、現在では「無農薬」「減農薬」「無化学肥料」「減化学肥料」の表示は禁じられています。
慣行栽培でも、有機栽培ではない野菜を、農林水産省では「特別栽培」と定義しています。
特別栽培の表示には細かなルールがあります。

農薬をまったく使用しない場合、「農薬:栽培期間中不使用」
節減対象でない農薬を使用した場合、「節減対象農薬:栽培期間中不使用」
節減対象農薬を削減した場合、「節減対象農薬:当地比◯割減」
などといった形で、様々な表記がしています。