農家からIT企業へ

「米ライフ株式会社」の紹介

ここ近年の産業界全体のキーワードになっているIoTにおいて、最も注目されている分野の一つが農業です。
農業とITは大変親和性が高く、ここ近年では次々と新しいサービスが誕生してきています。

そんな中、農業を経験したことをきっかけにIoTとして新たな事業を立ち上げた企業として「米ライフ株式会社」があります。
「米ライフ株式会社」は、もともと果樹農家であった富田航大さんが立ち上げた農業にITを活かしたサービスを行う企業で、最初にIoTデバイスによる米の定期購入を行ったことで有名になりました。

米ライフ株式会社が創業時より掲げているのが「幸福な食卓を作ろう」ということで、創業者の富田さん自身が自分の家庭で家族に料理を作ってきたという経験をもとに、食文化を通じて幸福を感じてもらいたいということを目標にしているということです。

また自身の祖父がイチゴなどを作る農家を経営していたことから農業高校に進学をして農業従事をする予定であったところ、家庭の事情から他に収入を得る必要がありIT系の仕事をしていくことになりました。
その後一旦状況するも数年後に地元の兵庫県に戻り、そこで祖父の畑で農業を行います。

そうした2つの進路がやがてひとつの形となり、「米ライフ株式会社」として成立をしていくことになったようです。
「米ライフ」で最初に行ったサービスというのは、米びつにセンサーを取り付けておくことにより、適切な米の購入時期をサポートするというものです。

これは近年農家から直接米を購入する人が増えてきたということを受け、一回きりで販売を終えるのではなく継続的に購入をしてもらうためのしくみとして作られたものでした。

この「米ライフ」を使用することで、お米がなくなった頃に自然に届くという利便性を得ることができるようになり、消費者と販売農家のお互いが便利になるという優れたしくみとなりました。

農業×ITサービスの構想ができるまで

創業者の富田さんは自分自身が農家としてその仕事をしてきたということが、のちの「米ライフ株式会社」の構想に非常に関係しているといいます。
ここ近年の農業に関してのニーズの一つに、「安心・安全」というものがあります。

近年では輸入食材に使用される薬品の安全性が疑問視されていたり、産地偽装など自分たちが毎日口に入れるものについて正しい情報が得にくいという状態ができてしまっています。

そこで「米ライフ株式会社」では、販売する米農家は実際に会って信頼できるところのみにしているということで、販売業者を通さずに安心・安全なお米を常に安定的に購入をすることができるようになっています。

こうした現代的なニーズを掴むということが、これからの農業×ITという形を作っていくことと思います。