遺伝子組み換えの安全性

遺伝子組み換えと品種改良

細胞の中にある遺伝子と遺伝情報によって、生物は形や性質などが決められています。
遺伝子が複製されることにより細胞が増えて、親から子へと受け継がれていく仕組みです。

ほとんどの生物の遺伝子は、基本的に「DNA」という物質でできています。
DNAを専用の電子顕微鏡で見ると、らせん状になった2本の鎖のような形をしており、その間に4種類の塩基、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)がはしごのように並んでいます。

この塩基の配列が、生物の身体を作る指令となり、生命現象を司っています。
遺伝子組み換えとは、その生物の遺伝子の構成や並び方を変えたり、他の生物の遺伝子を持ってきて組み換える技術です。
遺伝子を組み換ることで、害虫に強い性質へと変えられる効果のほか、除草剤に強い性質といった特徴を、作物に加えることができます。

昔からジャガイモや米などは、種類の種を交配させ、害虫に強いジャガイモや気候や冷害などへの耐性のある米を開発してきました。
これを「品種改良」といいます。これは、交配によって作物の性質を変える技術です。

遺伝子組み換え食品

遺伝子組み換え作物というのは、各国によって作れる物が異なります。
多く作られている組み換え食品の代表格は、大豆やトウモロコシです。
日本の食品では、遺伝子組み換え作物が使用されているものや、遺伝子組み換え作物が混入しているものには、「遺伝子組換え」「遺伝子組換え不分別」という表記が義務付けられています。

また、豆腐や納豆などのパッケージなどで、「遺伝子組換えでない」という表記がされているものを目にすることもあると思います。
こちらは表示義務はなく、任意で表示しているものです。

遺伝子組み換えの必要性

世界の遺伝子組換え農作物の栽培面積は、トウモロコシ・ダイズ・ワタ・ナタネの4種を中心として、年々増加しています。
2011年の作付面積は、1億6,000万ヘクタールでしたが、2016年には1億8,510万ヘクタールまで拡大しています。

これら作物の多くは、いずれも大量生産される作物です。
世界的な消費のために、より効率的に生産されることが求められています。

遺伝子組み換えの安全性

多くの人が、できるだけ避けたいと思っている遺伝子組み換え作物ですが、「遺伝子組み換えでない」と表記がされている食品は納豆や豆腐など、ほんの一部にすぎません。
多くの人は、知らない間に食べている可能性が高いです。

トウモロコシを例にとると、加工品の原料や飼料に使われる穀物としても幅広く使われています。
その多くは輸入です、原材料表示を見ても遺伝子組み換え作物かどうかを、判断することはできませんが、可能性は高いです。